北原白秋のひとり言

からたちの花

モズがやってきました。木の天辺で声高らかに鳴いています。モズの高鳴きという奴です。「キィー、キィ、キッ、キッ、キー」この声を聞くと、ああ、秋が来た。もうすぐ寒い冬がやって来ると本格的な秋を感じます。

このモズは、カエルや昆虫類を捕まえては木々の枝に刺しています。子供の頃は、からたちのトゲに小さなカエルを刺しているのをよく見ました。

「からたち」と云えば白秋の歌があります。多分、白秋もトゲに刺してあるカエルを見ていたのでしょうね。昔の屋敷の生垣は、からたちの垣根を使っていました。トゲがスゴいですよね。

柳川の裏通りを歩くと、からたちに出会うことがあります。その時に口ずさむのが「からたちの花」です。

「からたちの花」

からたちの花が咲いたよ。♫
白い白い花が咲いたよ。

からたちのとげはいたいよ。
青い青いはりのとげだよ。

からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとほる道だよ。

からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。

からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんなやさしかったよ。♬

からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。

白秋が通る小径には「からたちの生け垣」があったのでしょうね。
この詩は、すべて感動の終助詞「よ」で結んでいます。そこがよかですね。
からたちの花